2011年3月11日からの5日間のテレビ報道

「徹底検証!テレビは原発事故をどうとらえたか?」OurPlanet-TV 2012/4/19公開

司会 白石草(はじめ)
発言者 伊藤守(早稲田大学メディアシティズンシップ研究所所長)
発言者 小田桐誠(放送批判懇談会、ジャーナリスト)
発言者 広河隆一(フォトジャーナリスト、DAYS JAPAN編集長)

4時間近い特別座談会。一昨年の収録。


2014年3月11日 OurPlanet-TV 「ノーム・チョムスキー~ふくしまの声を聴く」

母親「爆発直後、漠然としていて何が起こったのか私たち市民は分かりませんでした。60キロという距離が何を意味するのかもわからなかったので…」


 津波は、11日15:35分ころ第一波がやって来た。

白石 津波第一波の映像はTBSが最初に流したが、後で見ると違和感を感じる映像だ。

女性アナ「福島県の富岡の模様を御覧頂いております。」
男性アナ「鉄塔の上まで波が大きく打ち寄せられました。」

白石「原発だということは言っていないんですよね。」

 3月11日16時 東電10条通報(交流電源喪失)、緊急対策宣言
 (地元の反原発派はこの時点で既に避難。冷却剤喪失LOCAを予測。)

 16時47分 NHK 非常用電源が不全となり冷却が出来ない。10条通報。

 19時47分(地震後約5時間)

 枝野官房長官「まさに万が一の場合の影響が激しいものですから、万全を期すということで「緊急事態宣言」を発令する。」

 広河「国の情報を横流しするだけだ。だが、起きていることに、現時点では大丈夫なんだというような意見を加える。視聴者、特に、被災地の人は、ここで、ああたいしたことないのかという雰囲気にやられてしまう。この部分にメディアの責任がある。」

「まだ熱が残っていて冷やしていかなければならない。」と実に表現が軽い(タメシテガッテンの番組ではない)。

 伊藤「NHKの流した福一の資料映像は静謐なものだ。これを頻繁に流す。その時、北京にいた。BBCは既に原発クライシスを報じていた。TBSの津波の映像には富岡町としかスーパーインポーズに写らない。原発の付近のどこかの工場のような印象を受ける。しかし、福島第一原発の映像だ。」

 NHKは、政府が伝えたことを解説する。それ以上は踏み込まない。

 原発の報道であるのに、必要があるはずもない埋め草的に別の場所の映像が流される。NHKは2007年に報道ガイドラインを強化したが、扱うことと映像が見事に食い違っている。

(NHKの福島放送局は、震災のため機能不全に陥ったというよりも第一に箝口令の強化があったようだ。)
 
 フジテレビ(電話)藤田祐幸(元慶応大)「冷却の為の電力確保が問題となっている。電源車が入っているだろう。メルトダウンする。水蒸気爆発は大爆発だ。すでに炉心溶融の状態に入っているのではないか。非常に緊迫した状況だ。一分一秒単位で事態が進行する。6時間はすでに長い。」

 白石 これ以降、藤田がTVに出ることはなかった。彼がずっと話していれば、報道方向は変わっていたかなと思えるくらい、その通りになった。

 最初は危機感があるが、その後トーン・ダウンさせていく報道であった。

 16時36分の段階で、タービン建屋で線量が上がって来ている(吉田所長)

 NHK「官房長官は念のためということでしたが。あくまでも念のためということです。6つの原子炉は止まっています。」

 3キロ圏内避難、翌朝に10キロに拡大された。

 不確実な噂を広げていたのは政府だった。「万全の策」と言ってしまった。「念のため」も繰り返した。

 Twitter上で危機のことばに対してカウンターアタックが湧いて出た。日本の原発は、チェルノブイリやスリーマイル島とは違うのだと。

 3キロ避難、10キロ屋内退避、その距離数の根拠を報じていたメディアはない。

 21時から翌日12日にかけて漆黒の緊迫状態が濃密になる。

 炉心溶融(13時45分中村審議官)・ベント・一号機爆発・20キロ圏に拡大・海水注入

 現場記者と局の報道にギャップがあった気がする。NHKでは東京のスタジオで報道が一元化されていた。

 NHK「原子力発電所の情報です。経済産業省の原子力保安院によりますと、福島第一発電所の敷地内の一号機の周辺で核分裂によって発生するセシウムという放射性物質が検出されたことから、(緊急アラーム音)一号機で炉心にある核燃料の一部が溶け出たとみていると発表しました。」

 テレビ朝日「大震災で被災した東京電力福島第一発原発、第一号機の炉心が溶け出していると発表されました。原子炉内部の圧力が高くなっていて、圧力を下げる作業が続けられていました。午後1時半現在で、核分裂成分であるセシウムが周囲から検出されたことから、原子力保安院は炉心の融解が始まっているとみられると発表しました。」

 中村審議官の発言はTVに出たことは一度もなく、12日の上の発表以後、炉心溶融が否定されていく報道姿勢となる。

 広河「この時点で、大交通混乱の中、埼玉から北に向かっていた。ベントが出たときに、子どもと女性を避難させることが先決で行動に移す時だった。しかし、心配することが「犯罪」であるような空気が醸成されていく。現場に飛んだ。」

 ヨウ化カリウムを集めようとした。「ワカメや昆布を食べろ」のツイッターはデマと攻撃される。

 13日を境に不思議と報道から「炉心溶融」が一切消える。

 政府が炉心溶融という言葉を規制した。これは、指示があったのだ。

 第一原発プラント正門の線量が20倍、90倍と上昇した。これに対し、原子炉は安定していると報じられる。現場では漏れは暗黙の了解であったはずだ。

 小田桐 大津波ということがあった。報道はそっちにも行っていた。しかし、引き上げろの指示が入っていて腑に落ちなかった関係者もいた。

 15時36分 TBS、福島中央、日本テレビ、フジテレビ、NHKと時間差で「爆破」の爆発報道が続く。

 福島中央「先ほど一分前、福島第一原発で、一号機から大きな煙が出ました。その煙が北に向かって流れているのが分かるでしょうか。」

 風向きに注意が向いている。それから、日本テレビの報道まで1時間以上経過する。

 日本テレビ「福島からお伝えします。福島第一発電所のトラブルで、正門の付近では、通常のおよそ20倍の放射線量が確認されました。そして共同通信によりますと、放射線量はさらに上昇し、通常の70倍以上に達したと伝えています。国の原子力保安院によりますと、御覧頂いているのは、午後3時36分の福島第一原発の映像です。水蒸気と思われるものが福島第一原発からボンと吹き出しました。」

 キー局の解説となり、おっとり刀で既にスタンバイしていた専門家が妙なことを話し始める。

 「爆破弁を使って、あたかも先ほどの絵のような、絵じゃありませんが、全体に蒸気が出るような、充満するような形で出て来ました(とストーリ展開を始める)。」

 アナ「今から1時間20分前に行ったガスを抜くような作業で、激しくこのように… あくまでも、これは爆破弁を使った一つの作業であり、圧力を下げるための一つの作業ということですか。」

 広河「意図的な悪意だ。メディアは人間を守らずに別のものを守ろうとした。これまでも、これからも、安全、安全と嘘の上塗りを重ねて行くことになる。」

 これから、他の社も口を揃えて、爆発は「爆発弁」による対処となってしまう。

 一時間あまりの時間で「仕込んだ」報道だ。日本テレビの報道から1分刻みで、フジ、NHKがこれに追随する。あたかもタイム・キーパーがいるようだ。ほぼ同時の報道発表に違和感を感じる。

 日テレの後方記者「何が起こっているか分からないので、専門家に意見を聞いて、ハッキリしてから報道するという手順をとった。」

 この「爆破」で、放射能が漏れていることは日の目をみるよりも明らかで、だからこそ、福島中央の第一報は、風向きに注意を払っていた。

 12日の昼前後にオフサイド・センターで第一回のモニタリング調査を行っていた。結果は、北西7キロで15μSv。そういう情報は地元メディア側も捉えていたことだろうと思う。官邸にも情報は達していただろう。

 双葉病院にいた県警警備課の証言「煙のような細かい綿のようなものがわっと広がった。」応援に来ていた神奈川県警のヘリもそれを確認していた。

 保安院の会見が上がった。「映像しかありません。官邸とも相談して情報を集約し調整中です。」

 何が起こったかは明らかだ。何を調整するのか。

 16時52分 NHK 「新しい情報です。保安院によりますと、福島原発で今日、午後4時頃、一号機のあたりで爆発音が聞こえた後、煙のようなものを目撃したという情報が原発にいた人から寄せられました。保安院は、まだ詳しいことは分かっていないということで状況を調べています。」

 「今、格納容器の圧力を下げるという作業をしておりますので、その一環として、爆破弁と言うのはあるんですが、そのような(声質、早く低い)弁を作動させて、一気に圧力を抜いたというようなこともありうるのかなと思っておりますが…」

 12日から報道のトーンが下がって行く。

 ベントは、コントロールされた中でのベントであり、だからフィルターを通してあり、放射性物質はごくわずかしか出ていないという印象を植え付ける。

 視聴者は「爆破」があったら、もっと危機意識をもって詳しく報道してくれるとの期待が高まるはずだ。

 13日になってから、だが、突如として情報のベクトルが一変する。

 伊藤「炉心溶融という言葉が消えて行き、そういうことのあるなしは、炉心を開けてみなければ分からないという、疑似達観めいた、いやに座りの定まった論調にすり替わる。炉心溶融は、だから可能性でしょ。実際に何が起きているのか分からないのだから、溶融とかメルト・スルーというのは可能性でしかない。このような言説が専門家により繰り返される(確かに、東電の当時の武藤副社長は、むにゃむにゃとそう語った)。12日の「爆破」で危機感が広まった。そこで、正常路線を、反転し、むしろ、危機であるからこそ、可能性なのだから、安心です、大丈夫ですという意図的な反動(バックラッシュ)へと梶が切られた。それが、13日、14日だったと思います。」

 13日から16日までは危機の核心部分だった。

 13日の夕刻(17:20)保安院から三号機爆発の可能性が発表される。そして、翌、14日の11時01分、三号機が爆発した。この日の午前中には正門で1mSv/hが測定されていた。

 15日、早朝に事故対策統合本部設置。14日から15日にかけて、東電の撤退願いが却下される。

 15日 6時10分 二号機爆発(サプレッション・チェンバー?)
     6時14分 四号機爆発(ほとんど報道はなかった。)

(今でも二号機、四号機の爆発はほとんど知られていない。)

 報道の劣化は深刻になっていく。

 フジテレビ13日15時56分「3号機、184.1μSv、東京―ニューヨーク間のフライトで普通に浴びる程度の量。200程度の量は胸のX線写真よりも低い。」

 メディアは、当然の疑問を撥ね付けていった。

 広河「旧ロシアの言ったことと全く変わらない。内部被曝については一切口を閉ざしている。」

 この時期、あらゆる専門家がテレビに出て来た。キャスター、スタッフは、それに同調するのみで、この報道パタンが強化され、うつけたように消費されていく(「あいさつの魔法」が、そのBGMだった)。

 TBS 「スリーマイルよりは軽微だ。今の状況は被曝ではなく、放射性物質が衣服などに付いたということで、放射能汚染に過ぎない。」

 伊藤「低線量被曝について言及したテレビはなかった。専門家を呼んで、専門外のことに安全論を語らせていた。テレビの提供する「知」とは何か。」

 13日TBS 20時9分「3号機爆発の可能性は可能性であって、それが起こらないように現場で対応していると思う。燃料棒露出については、官房長官から話しがあったが、実際に水位が上がらないことがメルトダウンに繋がるとかいうことでは全くない。燃料が一部溶けているということはありうるかもしれない。」

(「燃料が一部溶ける」という文言を巡り、長い間、解釈学がメディア、その他で流れた。同時に原子炉の「炉」とはどこかの言葉遊びもあった。)

 最悪のケースの想定が行われないまま、計画停電がまず決められた。

 13日 OurPlanet-TV 23:00 双葉町役場前で計測器の針が振り切れる映像。

 広河「50回ほど行ったチェルノブイリでもこれはなかった。どこに危険な場所があるのかが分からなくなり、行動判断の基準が失せた。路上で会う人々に避難を促した。20キロ圏で検問はなかった。お前の機械が壊れていると言われた。」

 警官は防護服、住民はマスクなしの平服という象徴的な写真がある。

 白石 13、14、15日とバラエティー番組も復活して来た。

 節電方式とその効果と同時に、被曝の程度の比較が同じボードに張られていた。無理に日常性に回帰していこうとする意図が感じられる。

 3月14日テレビ朝日9時8分「うまく行けばの話しですが、その場合には海水などでどんどん冷えて行って、圧力が下がって行く。中がちゃんと水で満たされるということです。」

 ―どれくらいの期間?

 「10時間とかそれくらい。ちゃんと冷やすには一週間くらい。… それができれば十分に安全だ。」

 白石 2時間もせずに3号機が爆発した。

 スタジオで言われることと現実で起きたことの噛み合いのなさが際立っている(ダブルバインドの忘我状態が擬せられる。あるいは、二重思考で、正常性バイアスのかかった方向に行きたいが、それも非常におかしいと感じさせる効果を持つ、微弱なショック)。

 3月14日10時NHK「ヨウ化カリウムが必要だということが言われるが入手の必要はない。」

 伊藤 報道そのものも酷いが、情報を出している側、保安院、東電の対応の酷さというものがテレビ以外のネット・メディアで安定的にアクセス可能になった。

 テレビでの東電会見はキセル報道であるが、IWJなどのメディアで東電会見が公開され、質疑での怒号など、沸騰する臨場感のある場面が流れた。テレビと独立系メディアでは得られる情報の量と質が格段に違い、洗脳されたままの人と洗脳から脱する人の分離が生まれようとしていた。

 早朝5時、当時の首相が東電本社に乗り込む。

 15日8時19分フジテレビ

 ―2号機の事故は、サプレッション・チェンバー(SC)の破損による爆発ではないか。

 「私は逆だと思う。なんらかの理由でSCに破損が出来たのだ。格納容器の外で起こった爆発などで、そこが損傷を受けた可能性があると保安院さんが言っていた。」

 この時期で、「東電さん」、「保安院さん」というのは何なのか。事故を起こした責任者に「さん」付けというのはムラのことばだ。

 「東電サンは、ちゃんと情報を出している。」このようなコメントはありえるのか。この人物は「ストレステスト」の座長をしている再稼働推進者だ。

 伊藤 科学者として本気で可能性にとどまっていると主張するならば、リスクの可能性を計算し、それを説明する必要があるばずなのだが、部外者、傍観者になっている。反対意見の聴取と熟慮という過程が必要だ。

 この時期に、外国人の避難が既に始まっていた。

 東電福島事務所では謝罪があった。本店よりも情報を出していた。メディアは通常の放送番組の延長上で福島の事故を処理していた。ある特定のグループを会見に呼ぶと社内で暗黙の圧力がかかる。

 広河「スリーマイルで、地場の保健局長が子どもと妊婦を逃がし、更迭された。後任者は、特別の線量の高さは存在せず、健康被害もないと主張する者だったが、人口の水増しで統計数値を出したのだ。事故後のやり口は、ここでもチェルノブイリでも同じだ。犯罪は国や、原子力産業の常に背後にある。そこを突くジャーナリズムは少ない。唯一、徹底して行われているのは原子力産業を守ることであり、そのために、原発に近い地域住民は人質になっている。」

 文部科学省によるモニタリング開始

 3月16日17時56NHK「直ちに影響はない。」

 NHK「毎時0.33mSv/hが測定されるが生活の大勢に影響はない。」

 330μSv/hは非常に高い数値だ。(テレビでは小数点表示となるようにミリSv単位とスケールの上位変更を施してくれる。)

 メディアにSPEEDIはどのように認識されていたのか。

 小田桐 単線報道だ。マニュアルがあって、決して、それから外れようとはしない。本来ならば、記者根性というものがあって、多角的な取材ルートを模索する中で、そこを突くはずだ。

 白石 NHK番組『ネットワークで作る放射線地図』は放映が大きく遅れた。組織内部の圧力があった。この番組は被曝リスクの報道だった。

 伊藤 16日の枝野の「直ちに」の会見は決定的だった。それは、被曝による健康被害に対応しないとの宣言であり、地域住民を見捨てると決断した。報道でもホット・スポットではモニタリングはしていないと明言があった。関わった人間がSPEEDIを知らなかったはずはない。

 3月16日20:00NHK

 ―これまでの原発事故と比較して福島第一はどうか。

 「福島とチェルノブイリとは本質的に異なる。チェルノブイリでは、設計上、放射性物質を止めることができなかった。秒単位で出力が嵩み、爆発して、放射性物質の漏洩を止められなかった。福島の場合、地震直後にすべての原子炉が安全に停止した。圧力容器、格納容器などの構造機器が健全性を維持している。比較的時間が経ってから、崩壊熱を冷却する部分がうまくいっていないということだ。放射性物質を止めるという機能は保たれている。」

 「スリーマイルスは、停止後、炉心が冷却剤喪失になり、それに数時間気づかなかった。炉心燃料の7割が溶けて、圧力容器の底に溜まった。福島第一は、未だ状況把握が不十分だが、そこまでには至っていない。炉心の損傷は起こっているので、スリーマイルと同等程度だろう。」

 白石 わずか5日で放射能が広がっていた。

 広河「各局すべてで、自分達の反省を行った局はない。ほとんどの人は今、国も、保安院も医学者もメディアも信用しない。同時に、出口ない状態でこの国は変わらないという諦観がある。事故直後のバッシングがもっと巨大になって真綿で締めるような状態になっている。きちっとした反論をしないで、アレでよかったのじゃないかとして、なんか綿にくるまれて次の機会を窺っている。そんなものは来やしない。次の3.11は明日起こるかもわからない。そのときもメディアは何もできないだろう。SPEEDIを使わないということは、消防士が、火事が起こっているのにそれを忘れ、火の見櫓に登るに等しい。」

 広河「国の判断とかではなく、自分の判断で生きることが正しかった。メディアも頼りにはならない。」

 広河「爆発映像があったことはありがたかった。なければ、何も起こらなかったことになっていた。」


 三年経ち、政権が変わり、今の「政府」は、メディアをやすやすと手中に収め、一層支配を強化し、秘密保護法制を通し、憲法解釈を変更して、戦争可能国を目指す。出口ない逼塞感を破るのが愛国、戦争であると仕向けられている。NHKは完全に政府広報機関と成り下がった。

 民放には、もはや、ニュースに期待する方が間違っている。

 記者などいない(生活の為という記者が居るかもしれないが、別に同情はしない。生活するのは彼らだけではない)。

 血道をあげて、お仕事している結果は、原発事故を軽く見させることや、どうでもよい「火事とケンカ」だけだろう。

 スポンサー企業や電事連に楯突くことなどできるはずがない。トップは、首長と会食三昧で、ここちのよい恫喝を受けている。

 本当に記者ならば、お安い文化人気取りのコラムなぞ書いて酔っていないで、端末とスマホを捨て、己の「足」でスクープの一本も抜いて見せろよ。同業者で群れて、レコーダーかざしているようじゃ… ラーメンブログでも書いていた方がお似合いということだ。

 「あのぉー、スクープなんて公序良俗に反する蛮行はしませんっ。仲間でコラボして、ネットでネタを共有します。」

 民放、新聞はあわれな娯楽の空しい消費メディアの役割が決まり、報道は独立系メディアに求める方向が進む。

 新聞紙面に占める広告の割合は尋常を越えている。ところどころに記事が浮く、魅力の乏しい通販カタログに近い。デジタル化が併存するも、おそらく、市場調査をあやまっており、現状が認識されていない。必殺の押し紙にも限界が来ている。

 「戦後レジーム」からの脱却とやらで、大新聞の紙面がどう変化していくかを見たいがための積極的な「講読」だ。

 内容云々ではない。批判などに値しない。

 しっかし、「戦後レジーム」とは「味わい深い」ゴミ言葉だ。「戦後体制」としない部分がミソで、レジームとは身分制度を意味し、戦後に身分制度があったのかとの問いに誘引しながら、実は、戦前のレジームへの回帰が本音となっている。官僚文法では、全く正反対の意味を言いやすい文言に魂を込めて注入するのだ、ご苦労さん。

 公共放送は、大本営と寸分違わないと言うべきだ。

 晩からのニュースは、三段体勢をとる。6時過ぎ、7時、そして9時。

 三番目はお話しにならないので除外する。

 3月14日、午前2時06分、伊予灘で発生したM6.1、震度5強の地震の報道が薄いのも、現在がすでに「戦時体制」であると捉えるならば「大本営」に箝口令が敷かれている事実があぶりだせる。震源のそばに、伊方原発がある(追記)。

 1番、2番と音声を消して見ると、アナウンサーの表情が面白い。

 造り笑みの中に怯えた眼が見える(そこまで行かなくとも、ある種のくすみが出ている。ギャンブル場付近でよく見る眼に通じる)。

 話しは転じて、すこしリキ抜こうか。

 音声を消して視るMr. Beanには、実に真面目で真剣に演じる一人の人間が見える。笑いのインポーズが入らないので笑うこともない。これだけ、演技に集中しないと、人を笑わせることなどできないのだ。

 この千日以上、東京電力などというものが、まだ、ほぼそのままの形態で存続し、利益を上げて、かつ、原発事故処理にあたっていることが、どうあっても信じられない。

 大いに確率の高い事故の進行があったときに、大メディアは、誰よりも先に逃げる。アナウンサーの表情は、それを示している気がする。