ラインの光

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 言うまでもなくラインとは仏独国境に流れる欧州の河川です。ストラスブールの東からヨーロッパ橋を渡れば、EU大筋成立間なしの頃、確か査証なしでもドイツのケールという田舎町に入れました。


 この辺りは私設の慰霊碑、いや名前と没年の記された簡素な印がふと目に入るところでございます。文字と数字がこの都市の色の石にほぼ肉筆の感覚で、…年、xxxx xxxxここで銃殺と彫られています。日本式の墓参ではなく、個人の反芻する思い立ちが際立つ感じでした。


 先日撮ったカワセミですが、あのライン河畔の夏の光を思い出しました。街全体の石の色と相俟って実に粘っこい光です。川に浮くマガモが首回りの緑の輪っかを光らせ、面構えがドイツ人でした。川ではブロシェというカワカマスが釣れます。

 左岸にロバーツソウという大きな森があります。辺りの地名は―ハイムや、―キルヒというようにドイツ語です。それをフランス語読みにするので、なんだか捉えどころがないものです。

 ボージュ山地とドイツ側のフォレ・ノワールに囲まれているので、ストラスは夏暑くて、冬寒いです。

 中心街から北のSchiltigheimシリティゲムという町にフィッシャーFischerという地ビールがあったのですが、大分前に大資本ハイネケンに買収され、その後も運営会社が変更しつつも、まだレーベルだけは残っているみたいです。そのアンブレ(アンバー)というビールがねっとりと甘い麦の風味で結構旨かったのを思い出しました。このカワセミのような色です。